11th
曽我部:まあ、あの……それはね、自分たちなりに考えがあって、チャージとってお酒の値段上げると、お客さんの質が変わってくるんすよ、確実に。俺たちは、バンドの練習した後に、サクッと1杯ビール飲んで帰ろうか、っていうようなバーにしたいわけ、バーって言っても。大人がしっぽりと飲みに来るスペースとかになると、そこまで俺らも考えてないし、そういうとこに対応できる術もないんで。なんかみんながワイワイ、「あ、俺今日ちょっと飲み物、いいんで」って言ってる奴もいるぐらいの感じの、部室っていうかさ、学食っていうか、そういう感じにしたいのよ。
それは何故かっていうと、新しいものを、文化を作っていく人っていうのは、絶対に、お金がない若者なのよ。お金がない若者が、新しい何かを作っていくから、お金がない若者が常にいる場所にしなきゃいけないとは思ってる。だからそのために、誰でも出入りできるような低い値段の設定にして。だから、パーティーやる時もタダだし。にしないと、こっちは企業で、向こうはただお金をとるためのお客さんってなっちゃうから。じゃなくて、なんか人材がそこから出てこないかと思って。それを、あの、狙ってます。
――ユース・カルチャーの担い手としては正しい発想ですけど、経営者としては、「一番金持ってない連中相手にしてどうする」みたいな気がしなくもないですが(笑)。
曽我部:曽我部恵一そうだよね。でもそこからしか面白いものは出てこないわけよ、結局。で、それもわかってるから。自分がそうだったわけじゃん、お金がない若者だったから。そっからしか新しい発想、出てこないんだよね。で、絶対におじさん臭がしない……俺はおじさんだけど、おじさん臭がすると、若者もう寄ってこないわけよ。ちゃんと「何々をいくらで買いに来た」っていうお客さんしか来なくなっちゃうから、何かを作りにその場に来たって人は来なくなっちゃうんだよね。
だから、一応ゆるくしてある。できるだけゆるく見えるようにしてますね。だから業者とかもなるべく入れないの。トイレでも何でもさ、「感じいいな」って思うのってさ、業者が入って感じよくなってるのと、「なんかただいい感じだな」ってなってるのと、ちょっとニュアンスが違うじゃん。だから、なるべく工務店とか入れずに、手作りでやろうねってコンセプトです。